スペインのマドリードに位置するVILLAZANギャラリーは、最近、韓国系現代アーティストStickymongerの個人の成長体験を描いたシリーズの作品を展示する「It Was A Very Good Year, Kind Of」という少女らしい展覧会を開催しています。これらの作品は、画家の子供時代の思い出や成長後の狂乱体験などを描き出し、多様なアイデンティティ、所属感、家族関係などのテーマを探求しており、キュレーターによってこれまでで最も「プライベート」な展覧会と称されています。
琳瑯たる作品の中で、目を引く菱格子模様の背景が使われています。今回の展示では、アーティストが過去の自分との対話に没頭しつつ、未来に向けた議論も加えています。アーティストは作品「How to Bear」と「Control Freak」の背景パターンを意図的に歪ませ、自身が空間、時間、感覚の記憶を変えている様子を示しています。 Stickymongerは、「これらのパターンは、若い頃に制服を着て学校に行かなければならなかった時代を思い起こさせます。また、私が子供の頃に直面した厳格な規則を象徴しています。」と述べています。そして、視覚的な歪みを通じて、彼女が若い頃に直面した様々な規範に抵抗しようとしていることを暗示しています。
展示のハイライトの1つは、2つの大きな連作の絵です。画家は、似た構図の2つの作品を描きました。左側の絵は「AM」と呼ばれ、右側の絵は「PM」と呼ばれます。作品は同じ5人の女の子を主人公としていますが、彼女たちの昼と夜の生活の対比を観客に示しています。昼間、女の子たちは制服を着ており、顔の表情は無邪気ですが、「PM」バージョンでは同じキャラクターをより反抗的な方法で強調し、若々しい少女の躁動を感じさせます。
「ママが言ったこと」シリーズでは、絵画が木枠に収められ、エレガントな雰囲気が漂っています。作品のテーマは風景や肖像画をカバーしており、絵の中の主人公たちは個性的な姿で描かれています。彼らは独自の考えを持ち、年配者の教訓を受け入れることをあまり好まないタイプです。他人の言葉に従うよりも、自分の心に従って行動することを好み、現代の若者たちの自己主張の共通点を示しています。
Stickymongerは、外見は可愛らしく甘美ですが、その内面には非常に魅力的な反抗的な感情が表れており、実際にはアーティスト自身の肖像でもあります。今年を締めくくる半自伝的な展示を行うことができるのは、「A Very Good Year」と言えるでしょう。
“It Was A Very Good Year, Kind Of”
日付：即日から12月10日まで
場所：スペイン、マドリッド、VILLAZAN Campoamor 17 28004
画像の出典および詳細はこちら：VILLAZAN
